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フランスが掲げる環境対策とは?ファッションの未来を考える

最近では流行を取り入れたファッションを気軽に購入することができますよね。

しかし大量消費を前提としたファストファッションでは、大量廃棄による環境破壊が問題となっています。

本記事ではこうした衣類の廃棄問題に取り組むフランスの環境対策や、ファッションの未来について解説します。

フランスが掲げる環境対策とは?

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フランスでは大量廃棄に於ける環境対策として、「反廃棄物と循環経済に関する法律」(loi anti-gaspillage pour une économie circulaire)が2020年に施行されました。

また、この法律をもとに企業が売れ残りの新品衣類の廃棄を禁止する「循環経済のための廃棄対策法」が2022年1月新たに施行され、世界で初めての試みとして注目されています。

厳しい罰則を課す理由

フランスが新たに施行を始めた「循環経済のための廃棄対策法」では、売れ残り衣類の廃棄が発覚した場合最大で最大1万5000ユーロ(約195万円)の罰金が課されることになりました。

何故フランスではこのように厳しい罰則が設けられたのでしょうか?

その背景として、「世界で2番目の環境汚染産業」と称されるアパレル業界の構造的な問題が理由として挙げられます。

アパレル業界における環境汚染の実情

アパレル業者で問題となっている環境汚染の実情とはどのような内容なのでしょう?

環境省の試算では服1着あたりのCO2排出量は約25kg、水は浴槽11杯分の環境資源を消費することが分かっています。

このうち日本国内では、年間約28億枚の洋服が生産されていますが、約半分の14億枚が売れ残り新品の状態で廃棄されています。

また、服を製造する段階で発生する繊維廃棄物のリサイクル率も17.5%と低いのが現状です。

持続可能なファッションの未来とは?

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アパレル業者が抱える環境問題を解決するために、今後フランスの対策以外にどのような方向性が考えられるのでしょうか?

ここでは持続可能なファッションの未来について考えてみましょう。

[リサイクルの促進]

洋服の廃棄量を減らす取組みとして、リサイクルの促進があります。

リサイクルを活性化するためには、生産・販売・消費する方それぞれが環境を意識した行動が求められます。

[製造メーカー : リサイクルに繋がる生産]

  • 長く着られる服のデザインやサステナブル(持続可能性)を意識した素材を選ぶ
  • 生産のみで終わらずリサイクル・リユースを通じた衣類再生のシステムを構築
  • 大量生産のメリット・デメリットを環境レベルで見直し

 [販売店舗 : 販売の無駄をなくす]

  • 在庫管理を徹底し処分品の割合を削減する
  • シーズンセール、アウトレットを展開し売れ残りを処分する
  • セールに頼らず仕入れを調整
  • 短サイクルの流行から長期展開可能なアイテムへの見直し

 [消費者 :消費サイクルを伸ばす工夫]

  • 低品質なサイクルの短いアイテムではなく、高品質で長く着られる服を選ぶ
  • 衝動買いを極力避ける
  • 処分する際、リサイクル・リユースなど廃棄以外の方法を選ぶ
  • 古着をコーディネートに取り入れる

このように持続可能なファッションを目指す際は、生産・販売・消費それぞれの工夫が不可欠になります。

とくに消費者は洋服を廃棄する以外のリサイクル・リユースの方法も検討し、環境対策に協力していくことが大切です。

環境を意識する際のデメリットも

環境を意識した洋服のリサイクル・リユースを進めることで、デメリットも想定されます。

例えば廃棄を減らす目的で長く使えるデザインが増えてるため、同じようなデザインの洋服が増えることに繋がります。

このため最新のデザインを意識した奇抜なファッションは避けるケースが増えるでしょう。

また在庫リスクの軽減から規格より大きい、小さいサイズの生産が限られる可能性もあります。

このように洋服の廃棄を減らす取組みを進めることで、SDGsの多様性や平等な社会を実現する側面が失われる可能性があります。

持続可能なファッションの未来を実現する際のデメリットのひとつとして覚えておきましょう。

ファストファッション業界の取組みについて

世界規模で環境対策が進む中、大量生産を行うファストファッション業界ではどのような取組みを行っているのでしょうか?

ここでは世界規模で販売する大手3社の取組みをご紹介します。

1. ファーストリテイリング

国内アパレル業者で売上1位のファーストリテイリングでは、海外展開している店舗とともにグローバルな対策を実施しています。

例えば生産量の調整・物流の改善を行い最適なタイミングで店舗に供給し販売の無駄を無くす対策を実施。

セール等を行い在庫を売り切り、廃棄をしない方針で運営しています。

また、販売した商品のリユース・リサイクルにも積極的に対応しています。

2.Zara

スペイン発祥で2,200店舗を展開するZaraでは、2025年までにサステナブル(持続可能な)素材を使用した製品を100%にする取組みを実施。

さらに店舗や工場に必要なエネルギーの80%を再生可能な資源を使用する目標を掲げています。

また、リサイクル用の回収コンテナを導入しリユース・リサイクル活動も積極的に行っています。

3.H&M

スウェーデン発祥の大手H&Mでは、古着の回収を行いリユース・リサイクルに貢献しています。

また、オーガニックコットン・エコ素材など新素材を開発し、さまざまな環境視点からSDGsに向けた取り組みを実施しています。

2021年より包装・パッケージ素材をプラスチック製から紙製に変更し、海洋プラスチックを約59%削減することに成功しています。

このように大量生産を行うファストファッションでは、環境対策としてさまざまな取組みを行っています。

持続可能な社会を目指す取組みを、応援していきましょう。

脱炭素化へ向けた取り組みを

合同会社ELEMUSでは、環境問題を改善するための「脱炭素化」へ向けた取り組みを実践しています。

弊社は愛知県三河地域で地域で採れる原木・木片を木片に加工し、バイオプラスチックなど新たな素材としてリサイクルすることでCO2削減・廃棄物削減にお役立て頂いております。

お住まいの地域で採れる原木や木片の有効活用をご検討の際は、是非ELEMUSにご相談ください。

まとめ

今回はフランスが掲げる環境対策の内容や、ファッションの未来について考えました。

「世界で2番目の環境汚染産業」と言われるアパレル業界では、持続可能な社会へ向けたさまざまな取り組みが行われていることをご紹介しました。

また、日頃から洋服を購入するユーザーである私たちも、リユース・リサイクルに協力し環境対策に貢献できることも解説しました。

ファッションの未来に向けて、今後も環境対策に取り組んでいきましょう。

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