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脱炭素と生態系の関わりとは?ネイチャーポジティブの新常識

生物の多様性・生態系を守り、回復させることの重要性が新たな常識となっていることをご存知でしょうか?

また、「生物多様性の保全」と「脱炭素化」はじつは密接に繋がっていることも見落とされやすいポイントといえます。

本記事は、脱炭素化と生態系の関わりについて解説し、ネイチャーポジティブの新たな常識についてご紹介します。

生態系が支える脱炭素化

脱炭素化

地球温暖化の原因となる温室効果ガス削減は今や世界共通の課題ですが、生態系・生物多様性を守ることと関係がないと考える人も多くいました。

しかし生態系は気候変動の影響を受ける一方で、気候変動対策をサポートしてもらえる存在でもあります。

気候変動対策のサポートとは?

温室効果ガスを削減する際、自然は強力な味方でもあります。

現在大気中に排出されている二酸化炭素(CO2)のおよそ3分の1は、自然(海・森・土壌など)で吸収しそれぞれのバイオマスに蓄積されることがわかっています。

つまり自然がもつ生態系はCO2削減をサポートする役割を持っているのです。

  • ヒートアイランドの抑制

現在砂漠化を始めとするヒートアイランド現象は、年々平均気温が上昇し問題となっています。

例えばこのような都市部で緑化に取り組むことで、気温を下げることが可能になります。

  • マングローブの災害抑制

海に近い沿岸地域では、高潮や洪水、強風などからマングローブの森が防波堤の役割りで人々を守る効果があります。

また、環境用語ではブルーカーボンと呼ばれCO2抑制効果も高いことが分かっています。

このように気候変動を抑える具体的な対策として、じつは「自然の生態系が強力な味方になるのではないか」という考え方が主流となりつつあります。

この考え方を「ネイチャー・ベースト・ソリューション(自然治癒)・通称NbS」と呼びます。

自然の生態系を意識するきっかけ

環境問題と併せて自然の生態系を意識するきっかけとはどのようなものでしょう?

じつは欧州では、熱波・氷河の欠壊・水害など自然の生態系が崩壊している様を実際に体験する出来事がたびたび発生しました。

このため、環境問題に取り組む際、実際に自然環境の回復に役立つ行動を興した農家を支援する施策が実施されるようになりました。

例えば、この10年の間で欧州ではミツバチの生息数が激減しました。

ミツバチは果物や野菜を育てる際に大切な昆虫のため、自然環境を回復することで経済的な損失にも貢献できるという考え方がベースにあります。

今後の環境施策について

NbSの概念、「環境問題の解決に生態系は助けになる」という考え方を取り入れた場合、環境施策と同時に自然に投資することが重要になります。

実際、2022年11月に開かれた国連気候変動枠組条約第27回締約国会議でNbSの重要性が盛り込まれました。

脱炭素化社会を目指すSDGsの目標達成のためにも、NbSは大きなターニングポイントとなるでしょう。

ネイチャーポジティブの新常識

脱炭素化

最近では環境用語のひとつとして「ネイチャーポジティブ」という言葉を耳にします。

ネイチャーポジティブとは、先ほどのNbSの概念とは少し異なり、政治的なスローガンの意味合いがあります。

例えば気候変動対策として使われる「カーボン・ニュートラル(二酸化炭素の排出量・吸収量をイコールとなること)」のように、自然の生態系が回復に向かう状態を示す言葉といえます。

また、ネイチャーポジティブは生まれたての用語のため、二酸化炭素排出量を(t・トン)で表記するなど具体的な単位が決められていません。

このため自然の生態系を可視化できる単位の設定が、早急に求められています。

日本が求められる役割とは?

現在日本では、おもに自然の資源を世界中から輸入し、高い生活水準を保っています。

このため新たな概念であるNbSを日本が実践し、世界をサポートする存在となるよう期待する声も高まっています。

  • 自然と一体に生きる

日本では古くから必要なものは消費する一方、自然に敬意を払い物を大切にして来た文化・風習があります。

自然と一体に生きる方法を海外の方のお手本となるよう、実践していきましょう。

ネイチャーポジティブな未来を目指して

ネイチャーポジティブな未来を目指して、SDGsでは地球温暖化を防ぐCO2削減に向けた取り組みを実施しています。

合同会社ELEMUSは、愛知県三河地域で原木・木片を「木粉」に加工し、バイオプラスチックに加工するなど海洋プラスチック問題解決に向けた事業を展開しています。

地域で採れた木材を活用することで、NbSの概念にも貢献可能なサービスをご提案致しております。

お住まいの地域で採れる原木や木片、間伐材の有効活用をご検討の際は、是非ELEMUSにご相談ください。

まとめ

今回は、脱炭素化と生態系の関わりについて解説し、ネイチャーポジティブの新たな常識についてご紹介しました。

自然の生態系を守ることは、カーボンフリーを目指すSDGsにとっても非常に重要なポイントであることをご紹介しました。

現在世界規模で起きている気象変動を軽減し、環境対策の一貫として新たな取り組みを続けていきましょう。

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