サーキュラーエコノミー

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2025年版「欧州サーキュラーエコノミー・プラスチック規制」を解説

欧州連合(EU)では、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現とプラスチック廃棄物の削減を目的として、様々なプラスチック規制が導入されています。

また、最近では使い捨てプラスチックの制限やリサイクル義務の拡大、企業への責任強化などが盛り込まれ、持続可能な資源循環型社会の実現を目指しています。

本記事は、2025年版「欧州サーキュラーエコノミー・プラスチック規制」の概要や変更点を解説します。

サーキュラーエコノミーとは?

サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーとは、これまでの「大量生産・大量消費・大量廃棄」の直線的な経済モデルから脱却し、「リサイクル・再利用・再設計」をベースにした環境に配慮した考え方です。

資源をできるだけ長く再生し、経済を循環させる。

また、ゴミを減らし、資源の無駄を減らすなど持続可能な社会を目指す取り組みです。

EUはこの概念を早くから取り入れ、2015年には「循環型経済パッケージ」、2020年には「新サーキュラーエコノミー行動計画」を策定し、具体的な政策を段階的に進めてきました。

2025年版のプラスチック規制は、これらの延長線上にあるものです。

なぜプラスチックが問題なのか?

プラスチックは軽くて丈夫で便利な素材ですが、その多くは使い捨てされ、リサイクルされずに埋立地や海に流れ出ています。

特に海洋プラスチックごみは、魚や鳥などの生態系に深刻な影響を与えています。

EU全体での問題意識を共有

EUでは、プラスチック製品の生産量が年々増え続けており、2020年時点でEU全体のプラスチックごみのリサイクル率は約32%にとどまっています。

この状況を変えるため、EUはプラスチックの「使用量を減らす」「再利用・リサイクルを促進する」「製品設計を見直す」ことに力を入れています。

2025年の主な規制内容とは?

サーキュラーエコノミー

2025年に強化・導入された主な規制は以下の通りです。

使い捨てプラスチック製品のさらなる禁止

2021年の「使い捨てプラスチック指令(SUPD)」により、ストローやカトラリーなど特定の使い捨て製品はすでに禁止されていましたが、2025年からは対象製品がさらに拡大されました。

新たに禁止されるのは、以下のような製品です。

【SUPDの禁止製品】

  • 発泡スチロール製の食品容器
  • 小型ホテル用アメニティ(ミニボトルのシャンプーや石鹸)
  • プラスチック製のタバコフィルター

これにより、代替素材(紙、バイオプラスチック、再生プラスチックなど)の開発が加速しています。

再生プラスチックの使用義務

2025年から、特定の製品には一定割合の再生プラスチックを使用することが義務化されました。

たとえば、飲料ボトルには最低でも25%の再生材を使用する必要があります(2030年には30%に拡大予定)。

これにより、リサイクルプラスチックの需要が急増しています。

拡大生産者責任(EPR)の強化

「拡大生産者責任(EPR)」とは、製品を市場に出す企業が、その使用後の廃棄やリサイクルまで責任を持つという考え方です。

2025年からはEPR制度がさらに厳格化され、以下のような対応が求められます

【ERPの強化内容】

  • 製品ごとの環境影響に応じたリサイクル費用の負担
  • リサイクルしやすい設計(モノマテリアル化など)
  • 分別しやすい表示義務の拡大

この結果、企業は製品設計段階から環境負荷を減らす必要に迫られています。

容器包装ごみの削減目標

包装材の削減も重要なテーマです。

EUは2030年までに容器包装ごみを全体で15%削減するという目標を掲げており、2025年はその中間ステップにあたります。

【容器包装ごみの削減内容】

  • 過剰包装の規制(特にECサイトの梱包など)
  • リユース容器の導入義務(飲食店やテイクアウトなど)
  • リフィル(詰め替え)ステーションの導入支援

デジタル製品パスポートの導入試験

製品の原材料やリサイクル性を記録した「デジタル製品パスポート(DPP)」の導入が一部業界で始まりました。

これにより、消費者やリサイクル業者がその製品の情報をデジタルで確認できるようになり、資源の効率的な循環が期待されます。

企業と消費者への影響

こうした規制により、企業にはサプライチェーンの見直しや素材転換、商品設計の改善が求められています。

特に包装・飲料・日用品・小売業界への影響は大きく、新素材やリユースビジネスへの投資が活発化しています。

一方、消費者側も変化を求められています。

例えば、マイボトルやマイバッグの使用、詰め替えの習慣、リユース容器の返却など、日常生活の中での「選択と行動」が重要になります。

今後の政策課題と展望について

EUは2030年、さらには2050年の「クライメート・ニュートラル(気候中立)」の実現を見据え、サーキュラーエコノミー政策をさらに強化する見通しです。

プラスチック規制も今後、以下のような方向で進展する可能性があります。

  • マイクロプラスチックの全面規制
  • バイオマス由来プラスチックの基準整備
  • 国際的な規制連携(グローバル条約)

一方で、代替素材のコストや性能、消費者の意識改革といった課題も多く、政策と市場、教育の三位一体での取り組みが求められています。

まとめ

2025年版の「欧州サーキュラーエコノミー・プラスチック規制」は、これまで以上に実効性が高く、企業活動や市民生活に大きな影響を与える内容となっています。

環境と経済のバランスをとりながら、「使い捨て」から「循環」へと社会全体を転換する挑戦が続いています。

この動きはEU内だけでなく、他の国や地域にも波及しつつあり、日本を含む企業にとっても無関係ではありません。

これからの社会では、「環境にやさしい」ことが競争力の一部になる時代。

変化をチャンスに変える準備が求められています。

【参考文献】

「EUの動向、プラスチック、循環都市 2024年のサーキュラーエコノミーを振り返る 」

(参照)https://www.nli-research.co.jp/report/detail/

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