「環境基本法」とは?持続可能な未来へのガイドライン
1992年にリオで開催された地球サミット(国連環境開発会議)をきっかけに、
日本では環境政策がみなおされ、1993年に「環境基本法」が制定されました。
30年以上も前から、国内では地球の環境問題への対策をしはじめていました。
「環境基本法」の目的は、国民が健康で豊かな生活を送り、将来の社会問題にたいして貢献できるような社会の構築を目指しています。
そのためには、地球の環境保全が重要なため、国民一人一人に対しての『責任』をはっきりさせているのです。
この「環境基本法」について、詳しく解説していきます。
「環境基本法」の基本理念!国民の責務
「環境基本法」の基本理念は、私たちの行動や、意思決定の基準となります。
基本理念を要約すると、以下のとおりです。
基本理念
- 自然の大切さを理解し、将来の世代に継承
- 持続可能な方法で経済や社会の発展とともに、環境負荷を減らす
- 国際協力を得ながら、環境保全に努める
基本理念を軸に、国、地方自治体、事業者、国民それぞれに責務を明確に掲げています。
国や地方自治体には、施策の実施に向けた責任が求められます。
大きく変化したのは事業者の責務です。大気や水の汚染、廃棄物の処理など公害防止に焦点をあて、環境に配慮していなかった事業者は、変革を迫られます。
しかし、廃棄物処理の課題は未だに解決されていません。
そして、私たち国民には、環境負荷を減らすための努力が求められています。
しかし、どのように行動したらよいのか、具体的には不透明です。
具体的な行動指針をしめすため「環境基本法」の第15条では、「政府は、環境保全に関する施策の総合的な計画的な推進を図るため、『環境基本計画』を定めなければいけない」と掲げています。
未来を守るための行動指針『環境基本計画」
「環境基本法」が制定され、政府は環境保全に関する施策を実践するために、1994年「第1回 環境基本計画」を掲げました。
計画は約6年ごとに見直しされ、近年は2018年に「第5次環境基本計画」が閣議決定しました。
『環境基本計画』では、人間と環境との良好な関係を築くため、環境政策の4つの長期目標として、「循環」、「共生」、「参加」、「国際的取組」を掲げています。
4つの長期的目標
- 【循環】資源とエネルギーの循環を促進し、環境負荷を減らす。
- 【共生】自然環境、生態系の維持・回復。自然と人間の共生を確保。
- 【参加】公平な役割分担で環境保全に参加。
- 【国際的取組】国際協力で地球環境を守る。
現状の「第5次環境基本計画」では、SDGsの考えも活用し、環境・経済・社会の総合的な向上を進めています。
そして現在、「第6次環境基本計画」が審議中であり、2024年4月に閣議決定予定です。
●第6次環境基本計画案/6つの重点戦略
(参照:環境省)
第6次環境基本計画は、現在の第5次環境基本計画よりも発展した計画となっています。掲げた目標を実践し、具体的に行動していくことを重視しています。
「環境基本法」、そして『環境基本計画』は、持続可能な未来を築くための重要な指針であり、私たちの共同の責任と行動の原点となります。
私たちの責務は、一人ひとりの日常生活から始まります。地球環境が深刻化する中で、いち早く行動を起こすことが大切なのです。
【参考文献】
(参照:2024-2-13)
e-gov(参照:2024-2-13)
- 第六次環境基本計画について「https://www.env.go.jp/council/content/i_02/000173185.pdf」
環境省(参照:2024-2-16)
環境省(参照:2024-2-16)