最近では環境汚染・負荷を改善する取り組みとして、資源の再利用(リサイクル)に対する研究が進んでいます。
とくに紙・プラスチックのリサイクルは温室効果ガスや海洋汚染改善に繋がることから早期に解決すべき課題といえるでしょう。
本記事では、紙・プラスチックはリサイクルできるのか?という疑問や環境負荷を減らす取り組みについて解説します。
紙・プラスチックはリサイクルできる?
廃棄時に温室効果ガスや海洋汚染に繋がる紙・プラスチックはリサイクルできるのでしょうか?
ここではそれぞれのリサイクル時の特徴や環境負荷を減らす方法を解説します。
紙のリサイクルについて
紙をリサイクルする際は再生紙として再利用することができます。
しかし再生紙は新たに紙を作る場合と比べコストがかかることや紙の種類の仕分けが必要なため、リサイクル以外の廃棄量が多い現状があります。
[再製紙の割合]
- 製紙量65%
- 廃棄量35%
このように製紙全体量の35%が廃棄されているため、約3割は焼却処分されるためCO2など温室効果ガス増加に繋がります。
またとくに処分が難しい紙として、紙パック・洗剤などの箱があります。
これらは専用のフィルムが貼られているため、リサイクルする場合1つずつ剥がすことができず焼却・廃棄処分になるケースが多いでしょう。
リサイクルが難しい紙類
シュレッダー後の紙・感熱紙・ノンカーボン紙や古紙についてもリサイクルが難しい紙類に分類されます。
その理由としてこれらの紙は収集や運搬に費用がかかることや、分別回収する人員を確保するなど手間がかかるため、実際は難しいといえるでしょう。
紙をリサイクルする場合の特徴
最近では衛生面の配慮から、使い捨てお手拭きやウエットテッシュを使用する方が増えたこともあり、これらの廃棄量が増えています。
ここでは紙をリサイクルする場合の特徴をご紹介します。
- 再生紙のメリット
紙の原料となる森林資源の減少が緩和され、地球温暖化防止に繋がります。
また、木材から紙に加工する際に必要なエネルギーの削減にも効果があるといえます。
さらに紙を廃棄する際にも費用がかかりますが、リサイクルに廻すことで廃棄処理費用を抑え、コストを削減することができます。
- 再生紙のデメリット
紙を繰り返しリサイクルすると、品質の劣化に繋がることもデメリットとしてあります。
再生紙を製造する際に新しい紙繊維を混ぜると一定の品質向上効果はあるものの、新たに製造する場合と比べ品質は落ちてしまいます。
紙リサイクルを増やすために
このように紙のリサイクルは種類ごとに廃棄方法が異なるため、廃棄量を減らすためには製造時にリサイクルの工程を工夫する必要があることが分かります。
最近では電子文書を使用することで紙の使用量を抑える企業・教育機関も増えていますので、今以上に排気量を減らす方法を検討していきましょう。
プラスチックのリサイクルについて
プラスチックをリサイクルすると、廃棄プラスチック削減に繋がり海洋汚染の改善に繋がります。
ここでは再生プラスチックの特徴についてご紹介します。
資源の節約に繋がる
プラスチックの原料となる石油は、地球の資源であるためリサイクルすることで資源の節約に繋がります。
やがて枯渇すると言われいる、限りある資源を大切にすることはサスティナブル社会を目指す目標のひとつでもあります。
コスト面での問題
現在の再生プラスチック製造方法では、資源から製造する方が低コストで生産できるケースが多いでしょう。
また、廃棄品をリサイクルに廻す際に輸送費・人権費・燃料など多くのコストが必要になります。
リサイクルで劣化することも
再生プラスチックは製造時に不純物が混じりやすく、新たに生産する場合と異なり壊れやすいなど品質の劣化に繋がる可能性もあります。
種類別に仕分ける難しさ
プラスチックにはさまざまな種類があり、リサイクルの工程では同じ素材を集める必要があります。
しかし回収や仕分けに人員や手間が掛かるため、困難なケースも多いでしょう。
洗浄する必要がある
再生プラスチックの製造工程でフード容器などは洗浄する必要もあり、リサイクルのネックとなります。
実際に廃棄時のプラスチックを集め、洗浄することは難しいため焼却・埋め立てにより処分となるケースが多いでしょう。
プラスチックのリサイクルを増やすために
このように日常生活に欠かせないプラスチックは、その多くが石油から製造され、リサイクル効率の改善が難しい分野であることが分かります。
しかし石油を原料としないバイオプラスチックなど新たな素材開発も進んでいるため、プラスチックのリサイクルは今後も効率化を進めていくことが大切です。
サスティナブル社会に向けて
紙・プラスチックのリサイクル効率を高め、サスティナブル社会に向けた取り組みを続けていくことが大切です。
合同会社ELEMUSは、愛知県三河地域で原木・木片を「木粉」に加工し、バイオプラスチックなど海洋プラスチック問題解決に向けた事業を展開しています。
お住まいの地域で採れる原木や木片の有効活用をご検討の際は、是非ELEMUSにご相談ください。
まとめ
今回は、紙・プラスチックのリサイクル方法や環境負荷を減らす取り組みについて解説しました。
紙、プラスチックはいずれもリサイクル可能ですが、効率化や廃棄時のロス軽減など課題が多いことが分かりました。
限りある資源を残し、環境負荷を減らすリサイクルへの取り組みを、今後も続けていきましょう。