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SDGs「2024年度目標報告書」の衝撃! EUの現状解説

国連が発表した2024年度の「持続可能な開発目標書」では、SDGsの対象目標のうち予定通りに進行しているプロジェクトはわずか17%という衝撃の内容が発表されました。

また、この発表に先立ちEUでは2040年までの温室効果ガス削減目標を発表しています。

本記事はSDGs報告書の内容と併せてEUの現状を解説します。

世界のSDGsは後退している

SDGs2024
SDGs2024

SDGsで現在プロジェクトが予定通りに進んでいる比率は17%と低く、世界的に取り組みが後退している現状が指摘されています。

各国のSDGsの進捗状況は以下の通りです。

  • 国ごとに達成度が異なる

環境先進国と呼ばれる欧州諸国(EU)は依然としてSDGsの進捗率は高いレベルをキープ。

ロシアなどBRICS諸国も大きく進歩を遂げている一方、貧困国・脆弱国は、大きく遅れを取るなど各国の達成度にばらつきが見られます。

  • 新たな投資と協力関係が必須に

持続可能な社会の構築は、長期的な資金の投資案件としてグローバルな金融アーキテクチャの構築が必要とされています。

また、多国間で解決すべき課題にはグローバルな協力も必要なため、プロジェクトに合わせた国家間の関係構築も急務の課題と言えるでしょう。

  • 解決が難しい課題も

世界的な気候変動の加速やパンデミックの影響もあり、食料・土地に関するSDGsのターゲットはとくに軌道から外れています。

ただし、以下の取組みについてSDR24は評価をしています。

  1. 過剰消費を避け、動物性タンパク質の消費を制限
  2. 生物学など高い需要増が望める分野への投資
  3. 森林破壊を防止する包括的なモニタリング制度の導入

このようにSDGsの現状は貧困国や食料問題などグローバルに解決すべき課題を抱えています。

このため国連を中心とした多国間主義に新たな指針作りが急務とされています。

SDGs後退の要因は?

2024年のSDGs達成指数は前年より0.4点減少し、66.3点と二年連続で世界のSDGs進捗は後退しました。

この後退の要因は2022年に始まったウクライナ紛争、2023年に始まったガザの武力紛争などが世界持続可能なプロジェクトを停滞・減速させることに繋がっていると言われています。

2030年までの見通しに懸念も

SDGsの目標期限2030年があと6年に迫った現在、世界全体で達成するためには毎年平均で5.5点以上の増加が必要です。

しかし国連の安全保障理事会はウクライナ・ガザなど世界各地の紛争や気候変動、人権問題などさまざまな問題解決に必要な資金が供給される見通しは立っていません。

このため従来の持続可能な取組みを加速させる枠組み作りが、各国に求められる課題と言えるのではないでしょうか。

EUは温室効果ガス排出削減案を提出

eu

EUの執行機関、欧州委員会は2040年の温室効果ガスの排出量を1990年比で90%削減する新たな目標をEU議会に提示しました。

EUでは温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする期限を2050年に定めているため、段階的な目標としています。

急激な目標変更の背景とは?

この新たな目標数値は、従来の目標数値「地球の平均気温を産業革命時と比較し1.5度に抑える」削減目標を大幅に上回るものであることから、世界に注目を与えました。

  • 環境先進国としての基準を急ぐ

EUがこのような大胆な目標を掲げる理由は、環境先進国として「従来の脱炭素化を加速させる」ことで、世界的な競争力を持つ産業振興連合を作ることにあります。

  • 目標達成には困難も

しかし現状では従来の目標として掲げた「2030年までに55%削減」の予測値は51%程度と未達の見通しが示されています。

このため2030年までの努力が足りない現状では、その後10年間でより急速な進化が求められるため困難であることは確実と言えるでしょう。

日本が取るべき選択肢について

日本のSDGsでは、数年下落していた状況から2022年と同じ19位に順位を戻しています。

しかし2019〜2024年の5年間の進捗は1点しかなく、2030年までに30点以上上昇することは不可能と言えます。

また、日本はゴール4の教育、ゴール9の産業が従来緑色の「SDGs達成」でしたが、今年度は教育が一段下の「課題が残り」にランク落ちました。

この原因については国際学習到達度調査(PISA)の2022年結果によるものと言われています。

また、日本の学校教育ではその「質」や海外の子供の受け入れ、成人の非識字などの難しい問題を抱えていると教育協力NGOネットワーク(JNNE)から指摘されている現状もあります。

まとめ

今回は、SDGs報告書の内容と併せてEUの現状を解説しました。

2030年の期限まであと6年と迫った現在、持続可能な取組みの達成は世界的には非常に困難な状況であることをお伝えしました。

目的の達成状況から、関係諸国では更なる加速が求められていることをご理解頂けたのではないでしょうか?

SDGs目標達成に向けて、更なる取組みを加速して行きましょう。

【参考文献】

国連の「2024年持続可能な開発目標報告書」の衝撃 「https://www.sdgs-japan.net/single-post/sdgsreport_2024」(参照)

EU「2040年までに温室効果ガス排出量90%削減」目標示す「https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240207/k10014350101000.html」(参照)

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