バイオプラスチック

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バイオプラスチックの普及率・特性を解説!環境対策の実態は

現在世界的な環境課題を解決するため、持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みとして「バイオプラスチック」が注目されています。

しかしバイオプラスチックは従来のプラスチックと比較し優れた特性がある反面、普及率や素材の問題点など課題も残されています。

本記事では、バイオプラスチックの普及率や特性について解説し、環境対策の実態についてご紹介します。

バイオプラスチックは普及している?

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従来のプラスチックと比べ、環境負荷の少ない代替素材として注目されているバイオプラスチックですが、普及は進んでいるのでしょうか?

ここでは日本国内と世界の普及率について調べてみましょう。

  • 日本国内のバイオプラスチック普及率

日本国内でのバイオプラスチックは、2017年の普及率は0.4%と少ないものの、着実に普及が進み市場ができる段階にあります。

2019年度のバイオプラスチック国内出荷量は約4.6万トンでしたが、政府は2030年までの目標を200万トンに掲げており、大幅な市場拡大が予想されています。

このため日本での普及率は、今後上がることが予想されます。

  • 世界のバイオプラスチック普及率

国内で普及が進む一方、世界的なバイオプラスチックの市場規模は大きくシェアが拡大しています。

2021年時点で、世界のバイオプラスチック生産量は約240万トンでしたが、5年後の2026年にはおよそ3倍以上に増える見込みです。

バイオプラスチックの特性について

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バイオプラスチックは、環境負荷の少ない素材として注目されていますが、実際に使用する際の特性とはどのようなものでしょうか?

ここでは、従来のプラスチックとの違いや特徴について解説します。

従来のプラスチックとの違い

従来のプラスチックは主な原料に石油を使用しており、世界の年間で消費するおよそ10%を占めると言われています。

石油は限られた資源である以外にも、CO2排出量の増大による生態系の破壊や、分解されずに海に流出する「海洋プラスチック」問題など、さまざまな問題の原因となっています。

コストの課題が残る

一方で植物を由来とするバイオプラスチックは、多くがリサイクル可能な資源を使用するため、環境負荷が少ない特徴があります。

また、CO2削減にも繋がることから地球温暖化を防ぐことに繋がるなど「カーボンニュートラルな素材」としての効果も期待できます。

ただし、従来のプラスチック素材と比較し、精製時にコストが高くなる課題が残されています。

バイオプラスチックの種類

バイオプラスチックは製造方法ごとに大きく分けて2つの種類に別れます。

それぞれの特徴や違いは、以下の内容になります。

  • バイオマスプラスチックの特徴

バイオマスプラスチックは、植物由来のトウモロコシ・サトウキビなどを原料とする素材です。

これらの植物は栽培の過程でCO2を吸収する効果があるため、廃棄時に焼却された場合CO2は発生する分バランスが取れることからカーボンニュートラルに適した素材と言えるでしょう。

[製造時の特徴]

製造する方法には「発酵・化学合成」方法の2種類があり、いずれも従来のプラスチック製造方法と比べ環境への負担は少ない特性があります。

一方で製造コストは高い傾向があり、量産時の課題も残されています。

また、廃棄時に非生分解性のバイオマスプラスチックについては、従来のプラスチックと同様の環境負荷が発生するケースもあるため、注意点として覚えておきましょう。

  • 生分解性プラスチックの特徴

生分解性プラスチックは、海洋汚染など従来のプラスチックによる環境破壊を軽減する目的で開発された素材です。

その特徴として、廃棄時に発生する微生物の働きで、最終的に水と二酸化炭素に分解することができます。

ただし生分解性プラスチックは廃棄時に、湿度や微生物の発生条件など環境条件により分解が遅くなる場合があるため、廃棄時の条件に左右されると言えるでしょう。

バイオプラスチック今後の課題は?

環境負荷の少ない素材として普及が進められているバイオプラスチックですが、今後解決する課題も残されています。

ここでは機能面と生産コストについての課題をご紹介します。

  • 機能面の課題

環境に優しい特性をもつバイオプラスチックですが、一部の機能面で足りない要素もあります。

例えば、従来のプラスチック素材に備えられていた耐熱・耐久性に於いては劣るケースが多く、使用する環境によっては適さない場合も出てきます。

このため機能的なデメリットを克服する研究・開発が行われています。

  • 生産コストの課題

バイオプラスチックの課題は費用についても課題が残されています。

従来の石油を用いたプラスチックと比べ、バイオマス・生分解性のバイオプラスチックは生産コストが高い傾向があるため、製品価格に反映される可能性が高くなります。

このため製造工程の見直しや代替え素材の研究など、コストダウンに繋がる努力も進められています。

このようにバイオプラスチックを一層普及させるために、コストや機能面でのさらなる努力が必要な状況であることを、覚えておきましょう。

まとめ

今回は、バイオプラスチックの普及率や特性について解説し、環境対策の実態についてご紹介しました。

バイオプラスチックの普及は、今後数年間で大きく伸びることが予想されています。

一方でコストや機能面など克服すべき課題も残っていますので、更なる研究・開発が進み、より汎用性の高い素材が生まれる可能性が高いと言えます。

カーボンニュートラルを目指した、脱炭素化の取組みを引き続き応援していきましょう。

【参考文献】

「バイオプラスチックの普及率はどれぐらい?環境への貢献を学ぶ 」

(参照)https://www.j-p.co.jp/column/bioplastic-penetration-rate/

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