GX（グリーントランスフォーメーション）という言葉をご存じでしょうか？
令和5年8月23日、岸田総理は第7回GX（グリーントランスフォーメーション）実行会議を開催しました。
GXは、日本がカーボンニュートラル（二酸化炭素の排出を実質ゼロにすること）を目指すための大規模な計画です。この取り組みは、環境負荷が少ないクリーンエネルギーへの移行や産業の仕組みを根本から変え、環境に優しい持続可能な社会を構築することを目的としています。
それでは、GXについて解説していきます。
GXの基本！脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の重要性
GXとは、「脱炭素」「エネルギーの安定供給」「経済成長」の3つの実現を同時に目指し、持続可能な社会を実現するための取り組みです。
１. 脱炭素
「脱炭素」とは、二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことを指します。これらのガスは地球温暖化の原因となり、気候変動を引き起こします。GXでは、石油や石炭などの化石燃料から、太陽光や風力、バイオマスといったクリーンなエネルギー源に移行することを目指しています。
２. エネルギーの安定供給
エネルギーは、私たちの生活やビジネスを支える基本的な要素です。エネルギーが安定して供給されないと、電気が使えなくなったり、工場が動かなくなったりします。そこで、GXでは太陽光や風力などの再生可能エネルギーを活用し、地域ごとに自給できるエネルギーシステムを作ることを目指しています。これにより、エネルギー供給の安定性を高めることができます。
3. 経済成長
GXでは、環境を守るだけでなく、経済も発展させることが大切です。持続可能な製品やサービスが求められる中、新しい産業や仕事が生まれます。たとえば、再生可能エネルギーを使った企業や環境技術を持つスタートアップが増えることで、経済が活性化します。これにより、環境を守りながらも、人々の生活が豊かになることを目指しています。
GXの目的は、環境に優しい「脱炭素社会」を作ることです。二酸化炭素などの温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにすることを目指し、また経済も成長させることがGXの大きな特徴です。
これにより、企業は環境を守るために技術や投資を進めることができ、同時に利益も得られるようになります。GXは、環境と経済の両方を重視するための道筋をつくることで、持続可能な社会の実現を目指しているのです。
日本の化石燃料依存とその問題
現在、日本はエネルギーの多くを化石燃料にたよっています。特に、石油の約90％は中東から輸入し、石炭や天然ガス（LNG）も海外からの輸入に依存しています。このように、エネルギーのほとんどを外国から輸入しているのです。またOECD諸国と比べても、日本のエネルギー自給率は13.3%と低く、化石燃料への依存が否めません。
出典（経済産業省／資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2023」）
化石燃料の使用は環境への負荷も大きく、温室効果ガスの排出が気候変動を加速させる要因となっています。これにより、国内外での環境規制が厳しくなる中、日本の企業や社会全体が持続可能なエネルギー政策を求められるようになっています。
このような背景から、日本は再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の改善を進める必要があります。再生可能エネルギーの割合を増やすことで、エネルギー自給率を高め、環境への負荷を減少させエネルギーの安定供給が実現できれば、持続可能な社会の構築につながるでしょう。
最後に
GXは、日本の未来を持続可能なものに変えるための重要な取り組みです。
環境問題への対処と経済成長を両立させるためには、環境に配慮した選択をすること、再生可能エネルギーを利用した商品を選ぶことが、持続可能な社会の実現に貢献します。
教育や啓発活動を通じて次世代に環境意識を根付かせることも大切です。
GXは、私たちの生活や社会を変える可能性を秘めています。そのためには、個人の意識改革と共同の取り組みが必要不可欠なのです。
【参考文献】
1．知っておきたい経済の基礎知識～GXって何？
「https://journal.meti.go.jp/p/25136/」経済産業省（参照：2024-9-27）
2.「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました
「https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210002/20230210002.html」経済産業省（参照：2024-9-27）
３．日本のエネルギー
「energy_in_japan2023 (meti.go.jp)」経済産業省／資源エネルギー庁（参照：2024-9-27）
