環境問題を改善する新たな素材に注目が集まっているのをご存知でしょうか?
最近では木質素材とプラスチックを融合し、それぞれの短所を補う全く新しいプラスチック素材が開発されています。
本記事では木粉・プラスチックを融合したバイオマスプラスチックの特徴について詳しく解説します。
木粉・プラスチックの相性は?
木粉とプラスチックを融合した場合、それぞれの素材の相性は好ましいと言えます。
そのひとつが建築材やプラスチックの本来廃棄する素材を利用できるため、環境に調和できることです。
木粉・プラスチック素材を融合した複合材をウッドプラスチック(WPC)と呼びます。
WPCはおもに自動車の内装・建築用の資材・家電製品などに使用されますが、廃棄時に粉砕・融解することで再度ペレットに加工しリサイクルすることができます。
環境省が認めるWPC素材
環境省では現在、環境負荷の少ないWPCの導入を進め無駄な資源削減を進めています。
そのうえで、以下の2種類のWPC素材を推奨しています。
- バイオマス由来のプラスチック素材
- 生分解性のプラスチック素材
これらのバイオプラスチック素材を使用することで、環境負荷を減らし素材の価値を最大限活かすことを目的としています。
WPCのメリット
従来の海洋プラスチックと異なる、木粉を使用したバイオマスプラスチックのメリットは以下の内容になります。
- 木材と比べ汚れに強く、表面が滑らか・カビや腐食などの劣化が少なく安全に使用できる
- 弾性があり耐久性が高く、高湿度にも対応可能
- 間伐材を有効活用でき、CO2排出削減・リサイクルに貢献できる
このようにWPCは、環境負荷の軽減や高い機能性などメリットがあることが分かります。
木粉バイオマスプラスチックの用途
WPCは、おもに以下の用途で使用されています。
- 公共施設(公園など)のベンチ
- 商業施設屋外デッキ用の板材
- 公園の手すり・パーテーションなど
この他、熱処理等で成型技術を高めた食器類も新たに登場しています。
木粉バイオマスプラスチックの原料
WPCで使用される原料はおもに木質系素材、樹脂と添加剤などで構成されています。
ここではメインの材料となる木質材・樹脂についてご紹介します。
[木質素材]
WPC用に生産された木粉と木質系のおもに廃材を利用した木粉(リサイクル木粉)の二種類に分かれます。
国内で製造されるWPCの多くは環境に優しくコスト的に負担の少ないリサイクル木粉を使用するケースが圧倒的に多い傾向があります。
また、国内で発生した廃材は品質レベルも高いため加工次第では充分な品質を保つことができます。
おもなリサイクル木材は以下の種類があります。
- 建築用の廃材・工場用の加工済廃材・製紙用の廃材
- 間伐材・流木など
[樹脂・プラスチック]
木質系の素材は230℃以上では品質が変化するため、融合する樹脂もこの温度以下の軟化点をもつ素材を使用するケースが多いでしょう。
一般的にWPCで使用される樹脂は以下の種類を使用します。
- ABS/AES系・ポリエチレン・ポリプロピレンなど
木粉バイオマスプラスチックの成型方法
WPCでは成型を行う際、以下の種類の方法があります。
- 押出成型
成型する形状の方に木粉・樹脂を入れ押し出す最も汎用性のある成型方法で、プラスチック材の成型と同じ方法です。
- プレス成型
加熱式の金型に木粉、樹脂を入れ圧力をかけ熱し冷却後成型品を取り出す方法です。
- 射出成形
プラスチックを成型する際に用いることの多い方法で、射出成形機と呼ばれる機械に高圧で溶融したプラスチックを射出し成型します。
しかしWPCでは木質、樹脂の性質に左右されることや、国内では成型実績の少ない製法でもあります。
このようにWPCでは制作物の種類ごとに成型方法に種類がありますので、その特徴を覚えておきましょう。
上質な木粉を使用するメリットについて
現在製造されているWPCの多くはリサイクル木粉を使用していますが、上質な木粉を使用するメリットはあるのでしょうか?
例えば食器類は衛生商品として捉えた場合、建築廃材などを使用したWPCには抵抗が出るケースも予想されます。
このため国産杉や檜といった材質がはっきりと分かる間伐材であれば、衛生的にも安心感に繋がると言えるでしょう。
木粉加工で環境負荷を減らす
合同会社ELEMUSでは、100年後に暮らす人たちが現代以上に快適・安全に暮らせるカーボンニュートラルに向けた取組みを行っています。
弊社は愛知県三河地域で原木・木片を「木粉」に加工し、おもに「バイオプラスチック」や「燃料」として再利用頂ける「木粉素材」を提供致しております。
お住まいの地域で採れる原木や木片の有効活用をご検討の際は、是非ELEMUSにご相談ください。
まとめ
今回は、木粉・プラスチックを融合したバイオマスプラスチックの特徴について詳しく解説しました。
木粉、プラスチックを融合したWPCは素材同士の相性もよく、リサイクル素材が使えることから環境負荷を減らす効果があることをご紹介しました。
WPCを利用する際は用途や成型方法を検討し、最適な製造方法を選ぶことをおすすめします。
木粉バイオプラスチックの製造をご検討の際は、ELEMUSに是非ご相談ください。